中国と日本の言語学界においては、中日同形語が意味用法の相違から同形同義語(Same)、同形異義語(Differance)、同形類義語(Overlap)など三つの種類に分けられるのが一般的な見方である。大まかに見てこういった分類は間違いがないようであるが、中日同形語の意味用法の相違を深く追究すれば、意味用法のまったく同じ同形語がないくらい少なく、同形類義語も意味用法の相違に差があることが分かる。中日同形類義語は意味用法相違の大小によって、同義と異義を両端とした一本の連続的な直線に並べられるといっていいくらいである。本研究では中日対訳コーパスを利用して中日同形語のこのような特性の証明を試みた。